型枠工事とは — 建物を支える基盤をつくる仕事
型枠工事とは、鉄筋コンクリート造の建物において、コンクリートを流し込むための枠（型枠）を設置する工事を指します。
具体的には、設計図に基づき木材や合板などを加工して「型枠パネル」を作成し、これを組み立てたうえでコンクリートを流すことで、柱・壁・梁・床などの構造をつくっていきます。型枠工事は、建物の強度・寸法精度・外観に直結する非常に重要な工程であり、垂直精度 ±3 mm 程度という高い精度が求められます。
型枠工事には、主に以下のような工程があります。
片付け・引き渡し
残材・道具の片付け、現場の清掃を行い、後続工程がスムーズに始められる状態に整えて工事完了となります。
拾い出し（設計寸法の把握）
設計図をもとに、柱・梁などの形状・寸法を現場・加工図として「拾い出し」ます。
型枠パネルの加工
拾い出した加工図に基づき、ベニヤ板などを加工してパネルをつくります。既存の型枠を清掃・再利用することもあります。
墨出し・敷残
現場で型枠を設置する位置を正確にマーキングし、型枠の下地（桟木など）を据えつけます。
組み立て
型枠パネルを現場で組み立て、コンクリートの重みに耐える補強を加えます。
コンクリート打設
型枠内にコンクリートを流し込み、空隙ができないよう慎重に施工します。
型枠解体
コンクリートが十分な強度を得た後、順序と安全を考慮して型枠を慎重に解体します。型枠を再利用するものは丁寧に取り外します。
